完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
あ……そうか。

今日は婚約したことを公表して、初めての登校日だった。

「見て……獅堂様の車から降りたの……九条さんよね?」

「やっぱりお二人って……」

ひそひそとした声が、あちこちから聞こえてくる。

どんな顔して歩けば……

いつもみたいに笑顔で振舞うなんてできなくて。

すると、一人の女子生徒が思い切ったように近づいてきた。

「あの……九条さん」

「は、はいっ」

「昨日、婚約披露パーティを行われたとか……」

「あ……」

言葉に詰まる。

さらに別の子も続けた。

「うちの父も招待されていたみたいで……とても素晴らしいパーティだったと話していましたわ」

「海外の来賓の方も多くいらしてたとか……」

「お二人が婚約だなんて……存じ上げませんでしたわ」

一気に沢山の人たちから声を掛けられ、なんて答えればいいのか分からない。

その時――

「少しよろしいでしょうか」

彼の一言で、その場の空気が引き締まる。

振り返ると、要さんがこちらへ歩いてきた。

人の間をまっすぐ抜けて、迷いなく私の隣に立った。

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