完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
ち、近い……!

「お騒がせして申し訳ありません」

要さんはみんなに向けて言う。

「みなさんもご存じの通り、僕たちは昨日婚約披露パーティを行いました」

一瞬ざわつく。

「僕は……九条花音さんと婚約します」

その言葉に、泣き崩れる女子生徒達もいた。

それを見ると心が痛む。

要さんは一度、周りを見渡してから続けた。

「しかしこれほど騒がれるようなことでもありません、みなさんには温かく見守っていただけたら幸いです」

そう言って、私の肩を軽く引き寄せる。

えっ……!?

距離が、一気に縮まる。

「そして……花音さんにはこれ以上質問攻めをしないよう……お願いします。何かありましたら僕がお答えします」

それだけ言うと、周りは一斉に静まり返った。

誰も、何も言えなくなる。

私を引き寄せる手が、しっかりと支えてくれている。

こんな風に堂々と隣に立たれて……胸が、うるさいくらいに鳴ってしまう。

「行きましょう」

小さくそう言われて、

私は頷くことしかできなかった。

肩を抱かれたまま、一緒に歩き出す。

……どうしよう。嬉しい。

さっき泣いていた子たちを見ると、胸が痛くなるけど……

……ごめんなさい。

嬉しい気持ちでいっぱいになってしまう。


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