完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
「花音さん」
「は、はいっ!」
びくっとして顔を上げる。
「聞いてる?」
「き、聞いてます……!」
「……怪しいな」
ほんの少しだけ、口元が緩んだ気がした。
しばらくして、コンコンとドアがノックされた。
「失礼します。紅茶とケーキをお持ちしました」
迅さんが一礼して入ってきた。
「えっやったー!」
思わず口から出てしまい、迅さんがふふっと笑う。
あ、しまった……奥ゆかしくしなきゃいけないのに。
チラッと横目で要さんを見ると、穏やかな表情で私を見ていて、思わずどきっとした。
嫌な顔されると思っていたのに……
「花音様、頑張っていらっしゃいますね」
迅さんがテーブルに美味しそうな苺のタルトと紅茶を並べながら言う。
「要さんの教え方が上手で……」
「まぁな」
得意そうな口調でそう答える。
「要様も幼少期から何か国語も習得されていて……」
「えっそうなんですか!?幼少期って……」
「8歳の頃には3か国ほど話されていましたよね」
迅さんが要さんを見ると、紅茶を飲みながら軽く頷いた。
「そんな小さなころに……並大抵の努力じゃないですよね、本当にすごいな……」
「はい。でも要様がこうやって人に教えるなんて、初めてじゃないでしょうか」
「そうなんですか……?」