完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~

「す、すみませんっ……」

本気じゃなかったのか……恥ずかしい。

慌てて起き上がろうとするけど、足元がもつれてうまく立てない。

「ほら」

目の前に、手が差し出された。

「……え?」

「立てるか?」


少しだけ迷ってから、そっとその手に触れる。

指先が触れた瞬間、びくっと体が震えた。

あったかい……

と、思った瞬間。

ぐっと引き上げられて、そのまま――

「きゃっ……!」

体が、ふわっと浮いた。

「えっ、えっ!?」

気づいた時には、要さんの腕の中にいた。

「……足、ふらついてるだろ」

「で、でもっ……!」

「いいから、じっとしてろ」

低い声でそう言われて、言葉が止まる。

近い……さっきより、もっと近い。

胸の鼓動がうるさすぎて、聞こえてしまいそう。

「……ほんと、危なっかしいな」

呆れたように言いながらも、その腕はしっかり支えてくれている。

恥ずかしいけど、嬉しくて。

顔が変ににやけてしまう。

これではっきりした。

私……要さんが好き、なんだな……

彼の近くにいるとこんなにも胸がときめいて、苦しくなって、熱くなるんだもの。

こんな風になるのは要さんだけだ。


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