完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
その場に立たせてくれるのかと思いきや、そのまま歩き出し、奥の扉の方へ向かった。
え……
どこに行くの!?
要さんがその扉を開くと。
そこには広いベッドが。
……ここって寝室!?
「え、あ、か、要さん!?」
何も言わない要さん。
頭の中がパニック状態だ。
「あのっいくら婚約してるからって……」
話の途中でベッドの上に、そっと下ろされる。
「今日はもういい」
「へ?」
「ここで休め」
休め……?
あ、そういうことか……
私ったら変な勘違いをしてしまってた。
「でも、テスト勉強が……」
「昨日の疲れも残ってんだろ。今の状態でやっても頭に入らない」
図星すぎて何も言えない。
「少し寝ろ」
そう言って、そっと頭に手が置かれ優しく撫でられる。
さっきよりも、ゆっくりと。
「……頑張りすぎるな」
その一言が、胸にじんわり広がる。
「……要さん」
名前を呼ぶと、少しだけ手が止まる。
「ん?」
「……ありがとうございます」
小さくそう言うと、
「……どういたしまして」
珍しく、優しい声が返ってきた。
それだけで、胸がいっぱいになる。