完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
「……ああ、分かってる」

低く、淡々とした声。

「今回の件は俺の判断だ。文句あるなら後で聞く」

なに……話してるの……?

聞いちゃいけない気がするのに……

相手の声もかすかに聞こえる。

『――K、俺はなにも文句ありませんよ?』

聞き慣れない呼び方。

K……?

誰……?

「Jは?」

『さっきそちらに戻りました』

「そうか。で、本題は?」

『はい。アルティウスの件ですが――』

空気が、変わる。

「動きは」

『武器の密輸ルートを確認。すでに国内に複数流れております』

「……チッ」

小さな舌打ち。

思わず肩がびくっと揺れる。

なにそれ……密輸って……

『それと――』

一瞬、間があく。

『トップの息子が、日本に入国しております』

「……ああ、あいつか」

まるで、予想していたかのような反応。

『近々、要様の学校へ編入予定との情報も』

「……またわかりやすい」

ふっと鼻で笑っている。

転校生の話……?

「監視つけろ」

間髪入れずに言う。

「接触してくる可能性が高いが……花音さんに近づけたくない」

……え?

自分の名前が出て、息が止まる。

『承知しました』

「それと、アルティウスは必ず動く。全部洗え」

< 129 / 218 >

この作品をシェア

pagetop