完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
廊下に出ると、迅さんが隣にきた。
「……昨晩は、お疲れ様でした」
「い、いえ……!」
まださっきのことが気まずくて、うまく話せない。
すると、迅さんがふっと笑った。
「要様、花音様には甘いですね」
「え……?」
思わず顔を上げる。
「……そう、見えますか?」
「はい」
「確かに、最近優しい気が……」
「要様が羨ましいです」
え……?
要さんが羨ましい?
迅さんがそんなこと言うなんて珍しい。
その笑顔の奥に――
ほんの少しだけ、影が見えた気がした。
*
*
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昨日の朝の騒ぎも1日経てば治まるかなと思っていたけど……
今日も要さんと送迎車から降りた時、周りの視線がすごかった。
それだけ獅堂家の結婚は衝撃的な出来事なんだろう。
朝、自分の席に着くと、隣の席の柏葉さんが小声で話しかけてきた。
「九条さん、獅堂様って二人きりの時もあのような感じなのですか?」
「えーっと……」
二人でいる時の要さんは違うけど……
口が悪いだなんて絶対に言えないし。