完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
でも、どうしても聞かずにはいられなかった。

重たい空気が、流れる。

やがて……

「……志乃とはなんでもない、昔からの知り合いなだけだ」

低い声が落ちる。

「……本当にそれだけですか……?」

「は?」

「本当は……後悔してるんじゃないんですか?私じゃなくて、志乃さんと婚約すればよかったって……」

一度こぼれた言葉は止まらない。

自分でも嫌になるくらい、次々と溢れ出てくる。

「……それ、本気で言ってんの?」

ダメだ。

泣きそうになるのを堪える。

「はい。志乃さんの方がなんでも完璧だし……要さんによくお似合いっ……」

その瞬間、後頭部を引き寄せられた。

「……っ!?」

気付いた時には、要さんと唇が重なりあっていた。

強引に塞がれて、息ができない。

両手で跳ねのけようとしても無理で。

「んんっ……」

もう限界……と思ったその時、やっと力が弱まった。

「黙れよ」

押し殺した声。

私は頭が混乱していて、返事すらできなかった。

「俺の婚約者は花音さんだ、誰が何と言おうと」

すぐそばで、はっきりと言われる。

「……」

「花音さんが他の男に触られてる方が、よっぽど問題だ」

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