完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~

カップを取る手が、少しだけ落ち着かない。

要さんは少しだけ視線を落としたまま、ゆっくりと口を開いた。

「せっかくだから、ゆっくりしていけよ」

そう言ってティーカップを口に持っていく。

何気ない仕草がすごく綺麗で、ずっと見ていたくなる。

こんな素敵な人が私の彼氏……、いや旦那様?

というか、私達はまだ結婚してるわけではないし……付き合っている状態なんだろうか。

さっき相沢さんに言われたことを思い出す。


『要様は花音様のどこを好きになったって?』


……聞いてみてもいいのかな……


「早乙女とはあれから何もないか?」

「え!?た、大我さん?」

「ああ、俺の知らない所で二人きりになってないよな?」

「はい……気を付けてます」

大我さんは要さんの目を盗んで近くに寄ってきたり、話しかけてきたりするけど……

面倒なことは言わない方がいいよね。

席も前後だし、話すくらいはクラスメイトとしていいと思うんだけどな……

すると、要さんが私の顔を正面からまじまじと見てきた。

「……なんですか?」

「うざい彼氏だと思ってんだろ?」

「彼氏!?」

思わず紅茶を吹き出しそうになってしまった。

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