完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
「……でもな」

その一言で、胸が小さく揺れる。

「このまま何も言わないでいるのも、違うと思ってる」

少しだけ体を離して、私の方を見る。

その目は、さっきまでとは違って真剣だった。

「……話しておきたいことがある」

「……はい」

真面目な顔を見て、少し不安になる。

要さんは仰向けになり、天井を見つめた。

「俺の母のことだ」

そう、静かに言った。

その瞬間、空気が変わる。

さっきまでの温もりが、そのまま残っているのに。

どこか張り詰めたような静けさが落ちた。

「……二年前に亡くなったのは知ってるよな」

私は静かに頷いた。

「表向きは事故ってことになってるが……実際は、自殺なんだ」

「……っ」

息が詰まって、何も言えない。

でも、目を逸らしたくなかった。

「俺らが裏で調べたんだが……状況的にも間違いない」

淡々としているのに、その奥にある感情は隠しきれていなかった。

「ただ……理由が分かってない」

少しだけ、眉が寄る。

「……あの人が、理由もなく死ぬとは思えない」

「……遺書とかは……?」

「何もなかった……だから調べてる」

「……」

私はそっと、手を伸ばした。

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