完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
「おや、気の強いお嬢さんだ」
宗一郎が愉快そうに笑う。
「要君、君は昔から変わらんな」
「……何の話ですか」
「大事なものを守ろうとする時だけ、そういう顔をする」
その言葉に、奥歯を噛み締める。
宗一郎はゆっくりと歩きながら、親父の前で立ち止まった。
「なぁ獅堂……お前は本当に綺麗事が好きだった」
「……」
「まるで自分たちは正義だと言いたげにな」
空気が張り詰める。
志乃の父親が険しい顔をした。
「……どういう意味だ」
それに対して、宗一郎は笑みを深めた。
「知らなかったのか? 朝比奈さんは。めでたいなぁ」
わざとらしく肩をすくめる。
「獅堂家も、昔は我々と同じだったんだよ」
「……っ」
その場の空気が変わった。
花音も、志乃も目を見開く。
宗一郎は愉快そうに続ける。
「海外ルートを使った密輸。武器取引。裏社会との繋がり……獅堂家も随分と甘い汁を吸っていたじゃないか」
「……宗一郎」
親父が低く名を呼ぶ。