完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
迅さんが小さくため息をついた。

「あなたは少し黙っていてください」

「はいはい」

そんなやり取りを微笑ましく見ていると――

「要」

低い声が響いた。

振り返ると、そこには要さんのお父様が立っていたので驚いた。

……いつの前に!?

やばい、今の聞かれてたんじゃ……

FさんとNさんの方を見ると、いつの間にか二人は消えていた。

は、早い!要さんのお父様が来るのに気付いてすぐ離れたんだ……

さすがだな……なんだか、忍者のような。

……不思議な人たちだった。

要さんのお父様は私たちを見ると、少しだけ表情を緩めた。

「怪我はないか」

「……はい」

要さんが表情を変えずに頷く。

「花音さんも、大丈夫だったか」

「はい……ありがとうございます」

そう答えると、お父様は静かに息を吐いた。

その後、要さんへ視線を向ける。

「……先ほど宗一郎に言っていたことだが」

空気が変わる。

要さんの表情も真剣になった。

「私もお聞きしたいと思っていました」

「……ああ」

「……真実、なんですよね?獅堂家が、最初からアルティウスを追っていたって話」

お父様は、しばらく黙っていた。

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