完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
お父様はしばらく黙っていたけれど、やがて小さく息を吐いた。

「要に慰められる日が来るとはな……」

ふっと微笑み、お父様の視線が、ゆっくりと私へ向いた。

お父様は、私をまっすぐに見た。

その目は、さっきまでの重さとは違う色をしている。

「……花音さん」

「は、はいっ」

「あなたを見ていると、どうしても麗子を思い出す」

心臓が跳ねる。

「まっすぐで、信じると決めたら疑わないところが……本当によく似ている」

「そうなんですね……」

「麗子に会わせてやりたかった。きっと花音さんのことを気に入っただろうに」

その言葉に、なんだか胸が苦しくなった。

「やはり……婚約者に選んで正解だったな」

その視線が、今度は要さんへ向く。

「要にふさわしい子になると、私はずっと思っていた」

一瞬、時間が止まる。

「この子なら、お前の隣に立てる」

その言葉は、評価でも命令でもない。

父親としての、確信だった。

「はい……花音は、私には勿体ないほどの女性です」

そう言って私を見つめる。

要さんのお父様の前でそう言っていただけるなんて……

二人の言葉に、嬉しくて涙が出そうになった。

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