完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
そんな私を要さんが笑いながら覗き込む。

「花音が欲しい……ダメか?」

そ、そんな顔で……そんなセリフ!

今までこういう機会は何回もあった。

でもその度に要さんは我慢してきてくれたと思う。

私の覚悟なんて、とっくに決まっているのに。

「ダメじゃ……ありません……」

そう言った瞬間、要さんが私の首筋にキスを落とし、甘く噛んだ。

「ひゃあっ!?」

「何その声……」

「だって……急に首にっ」

「このくらいで驚いてどうすんだよ」

「すいません……」

くっと笑うと、私の背に手を回し背中のフォックを外した。

その行為に、心臓が飛び出るくらいドキドキしていた。

「……手で隠すなよ」

「恥ずかしいんです!」


真っ赤になって抗議すると、要さんが笑った。

その笑い声まで近くて、胸がまた大きく跳ねる。

「ほんと、花音見てると理性削られる」

「り、理性って……」

「これでもかなり我慢してる」

低く囁かれ、顔がさらに熱くなった。

要さんの指が、そっと私の体に触れる。

まるで壊れ物に触るみたいに優しい。

「好きだ」

耳元で囁かれる要さんの声。

「誰よりも……お前が大切だ」

心臓がどくんと鳴った。

私は要さんの胸に顔を埋めながら、小さく答える。

「……私もです」

窓の外では、夜風が静かに木々を揺らしていた。

嵐みたいだった一日の終わり。

でも今だけは、安心して目を閉じられる。

要さんの腕の中は、世界で一番あたたかかった。


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