完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
その様子を見て、胸の奥の緊張が少しだけほどけた。

「……あの時は、本当にありがとうございました」

頭を深々と下げる。

「あのままだったら、要さんが……」

声が詰まりそうになる。

大我さんは少し困ったように笑った。

「別に。体が勝手に動いただけだ」

「それでもです!」

すると後ろで腕を組んでいた要さんが、小さく舌打ちした。

「……お前に借り作るとか最悪」

「ははっ、素直じゃねぇな」

「うるせぇ」

でもその声は、どこか少し柔らかい。

昔はよく遊んでいた仲だったんだもんね。

大我さんは窓の外へ視線を向けた。

「……うちがやってきたことは、間違ってた」

病室の空気が少し静かになる。

「親父だけじゃない。早乙女家の人間である俺にも責任はある」

その横顔は、前より少し大人びて見えた。

「獅堂家には……償っても償いきれねぇことをした。お前の母親のことも、全部」

要さんはしばらく黙っていた。

けれど次の瞬間、ふっと息を吐く。

「……もういい」

「……は?」

「お前のせいじゃねぇだろ」

大我さんが目を細める。

要さんは壁へ寄りかかりながら続けた。

「親父同士の問題だ。お前まで全部背負う必要ねぇよ」

「……相変わらず甘ぇな」

「勘違いすんな。許してんのは俺じゃなくて、俺の母親だ」

その言葉に、大我さんが小さく笑った。

「……敵わねぇな、お前には」

「だから早く治せ」

要さんがぶっきらぼうに言う。

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