完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
峰山さんに連れられてまた長い廊下を歩き出す。
この人もあんなに優しい顔で対応してくれていたのに、背の高い後ろ姿がなんだか怖く感じた。
さっきまで私に銃を向けてたんだよね……。
信じられないけど、どうやら現実のようだ。
「着きましたよ、こちらです」
振り返った峰山さんは、いつもの穏やかな顔で少しホッとした。
ダイニングルームのドアが開かれると、長いテーブルには、すでに要さんのお父様とおじい様が揃っていた。
「遅くなって申し訳ありません!」
「花音さん、待ってましたよ」
要さんのお父様が優しい笑顔で迎えてくれた。
私は慌てて席につく。
少しして……
「遅れてすみません」
聞き慣れた声がした。
顔を上げると、要さんがいた。
そして、にこやかに笑っている。
さっきまでの冷たい顔なんて、どこにもない。
「少し仕事の話をしていまして」
まるで、何もなかったみたいに自然な仕草で席につく。
私は料理を見下ろした。
美味しそうなのに……全然、喉を通らない。
「花音さん」
低い声がテーブルの向こうから聞こえた。
顔を上げると、要さんのお父様だった。
「どうかしましたか?ほとんど食べていないようだが」
ぎくりとする。
「い、いえ……!」