完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
二人とも驚いた様子で私の方を見る。
「それに相沢さんの方が年上ですし……私に敬語じゃなくても結構です!」
要さんは何も言わず、数秒だけ沈黙する。
その沈黙が、なぜか少し怖い。
「……そうですか」
要さんが静かに言った。
その目はさっきより少しだけ冷えている気がした。
怖い……
でも相沢さん、最初は無愛想だったけど敬語じゃなかったから親しみやすくて。
「花音さん、そろそろ次のレッスン時間ではないですか?」
「あ!そうだ……」
「高野に本日の予定を聞きました、次は社交ダンスのようです」
「はい……」
エプロンを脱ぎ、相沢さんに一礼をした。
「今日はありがとうございました……また次回お願いします」
すると相沢さんが「お疲れ様でした」と返してくれた。
顔を見ると、少し不満そうな顔をしている。
練習の途中で止められたから無理もないよね……
そして要さんが私に手を差し出す。
「行きましょう」
「え?」
戸惑う私を見て、要さんが静かに言った。
「ダンスの指導は、私も参加しようかと」
う、嘘……
要さんが!?
「そうなんですか!?」
「ええ。料理よりは安全でしょう」
相沢さんがすぐそばにいるのに、なんてことを……。
私は冷や汗をかいた。