この先もずっと願っているよ
お出かけするぞ!
「わぁ!やっぱり!茅はこのメイクが似合う!」
「本当?」

 学校から家の近い真由美の家に一旦寄って、真由美の手によってメイクを施されている。

 「遊びに行くだけなら、こんなにしなくてもいいんじゃない?」と質問したところ真由美が言うには「完璧な茅をみたい」だそうだ。まぁ、確かに遊ぶ時に着飾ったことはほぼない。

「よし!服も貸してあげる!」
「え?いいよ、服までは流石に悪いし」
「大丈夫!サイズも茅に合うと思うし、私は気にしないから!お願い!着て!」

 そう言って、沢山の服を私の周りに置いてくる。これ、絶対いいって言うまでやめないだろうなぁ……。

「しょうがない……。わかった、わかったから!服で私を埋めないで!」
「やったー!これで、見回りをしている先生達にすぐにバレない〜」
「それが、本音でしょ?高校の先生は見回りとかあまりしてないと思うけど…」
「まぁまぁ、可愛いの着てるとテンションも上がるし!ウィンウィンな関係ってことで」
「はいはい」

 真由美のペースに乗せられながらも、なんとか支度を済ませた。まだ、行き先も決まってなかったためどこに行くか話し合った結果……。結局、近くのショッピングモールで遊ぶことになった。

「わぁ!結構、制服姿多いね」
「卒業式だしね、遊ぶところと言ったらこの場所くらいしかないし……ほら、あの人達も私たちと同じ制服だよ」
「本当だ!みんな着替えてから行かないんだ…」
「そういう人たちもいると思うけど。卒業生って、高校の制服着れるの最後だから、そう言う理由もあると思う」
「確かに……。あっ!茅!見てあそこに、うさぎさんシリーズの新作が出てる!」
「え!本当?見に行こう」

 私と真由美が大好きな、『白いふわふわなうさぎさんシリーズ』。滅多に新作に会えることはないので、ここで見つけることができたのは、すごいラッキーだ。

「このうさぎさんお茶持ってる」
「可愛い!こっちは桜模様のうさぎさんだ」
「えぇ可愛い!」
「早速買おー」
「そうだね!お互いに欲しいのが出たら交換しよ」
「そうしよ!」

 テンションが高くなりながら買う。箱から開封してみると、運が良くお互いに欲しかったうさぎさんがでてくれた!だから、すぐに鞄につける。可愛い!

 早速、とてもいい買い物ができた!

*・*・*

「次どこ行く?」
「うーん。ゲームセンターは行ったし、本屋さんも行ったし…」

 明るかった空も、薄暗くなるほどの時間を過ごした。そのため、だいぶ遊ぶところがなくなってしまった。

「あれ?そういえば茅ってお家に連絡した?」
「したよー。『食べてくるから、今日はご飯いらないよ』って。真由美の方こそちゃんとしたの〜?」
「なんと、ちゃんとしてるんですよー!」
「えらい!」
「でしょ!茅も連絡してるなら、もうご飯食べよ!茅は大丈夫?」
「うん!私は大丈夫!」
「あっ!まって、ちょっとお手洗いに行ってきてもいい?」
「全然いいよ、先に行って席取っとくね」
「ありがとう!」

 真由美と別れてフードコートに向かった。

 今日が卒業式だと言うこともあって、夜ご飯には早い時間でもかなり混んでいる。

 いい席ないかなぁ〜。そう思い、探していると……。外だけど、ちょうど二人席が空いているのを見つける。肌寒いけど、中に比べて人もいないし空も綺麗だし!あの席にしよ。

 そう思って空いている席に向かうと。

「あれ?やっぱり茅ちゃんだ」
「あっ、尚人先輩…」

 なんで?どうして?そんな言葉が出てくる。先輩は一緒に遊びに来ていたであろう人達に、何か話して私の近くにきた。

「卒業おめでとうございます」
「うん、ありがとう」

 気まずい。いや、そう思っているのは私だけだけど、何を話せばいいの?お祝いの言葉も言ってしまったし、誰と遊びに来たのかなんて見れば明白だし…。あぁー!!もう!真由美、早く帰ってきて!

 その想いが通じたのか携帯から音が鳴る。

「すみません、ちょっと確認していいですか?」
「全然いいよ」
「ありがとうございます」

 携帯を確認する。やっぱり真由美からだ。えーっと…。

『そっちに向かうの遅くなる!ごめん!』
『今限定の商品見つけたから!』
『茅の分もちゃんと買うから!』
『じゃぁまた後で』

 ……落ち着け、私‼︎真由美の行動はいつものこと。こんなことで怒ることもない。でも、なんで今⁈本当にどうすれば良いの!
< 3 / 7 >

この作品をシェア

pagetop