きみが春なら

Side.H

『まともな家庭で育っていない』、
『子供が育てられる訳がない』。

それは今までかけられたどんな言葉より、私の心を突き刺した。
濡れた体が冷えていく。

今日まで自分なりに歩んできた事。優しかった両親の事。全てを否定されたようで目の前が暗くなる。

ジュリが泣きながら私の背中に腕をまわす。いつのまにか私が支えられる側になっていた。
女王様がまだ何か言っている気がしたけれど、もう耳に入らなかった。

「……え」

その時、横から手が伸びてきて。
今度は私が、誰かに背に庇われた。
< 176 / 183 >

この作品をシェア

pagetop