冷遇令嬢、最恐軍医に嫁ぎました~大正深愛綴り~
シャツ越しに伝わる体温が、確かに〝生きている〟ことを教えてくれる。その温もりに、胸の奥がじんわりと熱くなる。
すると、勇心がゆっくりと手を伸ばし、紫乃の手を優しく解いた。
そして、彼女の肩を抱いて向き直ると、一つ、深く息を吐いた。
「触れてもいいか?」
「……体温確認ですか?」
紫乃の声は、わずかに震えていた。けれど、目は逸らさず、まっすぐに夫を見つめている。
「フッ……いや、俺の意志だ」
「っ……!」
気づけば、シャツのボタンはすべて外されていた。鍛え上げられた胸板、引き締まった腹筋。その姿が、紫乃の視線を奪う。
思わず息を呑んだその瞬間、勇心の腕が紫乃の腰を抱き上げた。
「きゃ……!」
軽々と抱き上げられ、紫乃は寝台の端にそっと座らされる。驚いて目を見開いたままの紫乃の前に、勇心が膝をついた。