引きこもり令嬢は皇妃になんてなりたくない!~強面皇帝の溺愛が駄々漏れで困ります~4
彼は、エレスティアの心の内さえもお見通しなのだ。
喜びに体が震えた。こうして安心させようとしてくれている彼のことも、愛おしくてたまらない。
(ああ、彼は思ったことを伝えてくださっているんだわ)
彼の心獣から、彼の心の声は聞こえなかった。
「エレスティア、俺を信じてくれるか?」
見つめ合っていると、ジルヴェストがベッドに上がってきて、二人の視線が同じ高さになる。
もう緊張も、彼に喜んでもらえるのかといった不安だって感じない。
「もちろんです。いつだって、ジルヴェスト様を信じています」
エレスティアは微笑み返す。それを合図のように、ジルヴェストが優しく押し倒した。
「ありがとう、愛してる。愛しいエレスティア。俺の、最愛の妻」
手をゆっくりと握りながら、彼が顔中にキスの雨を降らしてくる。
(さっきからジルヴェスト様の心の声が聞こえてこないのは、正直な思いを言葉にしてくださっているから)
彼のキスは顔以外へと向いていったが、不思議なくらいに緊張は感じなかった。
触れてくる手は優しかった。男の体はこうだとエレスティアの手を導き、触れさせてくれる仕草は優しくて涙が浮かぶ。
(私の夫が優しくて、幸せで)
心臓がはち切れそうだ。
今夜を待ち望んでいたのは、ジルヴェストだけではない。
「素敵な今夜を、ありがとうございます」
リボンの裾に手をかけたジルヴェストが脱がしやすいよう、エレスティアは背を浮かせるようにして彼を抱きしめる。
ナイトガウンが半ば乱れた彼の手が止まり、その広い肩が微かに震えた。慎重に息を吸う音が聞こえてくる。
「俺のほうこそだ――今夜、君のすべてを俺にくれ」
「はい」
リボンがほどけ、頼りない布がするりとエレスティアの肌をすべっていった。
「私の心はすでにジルヴェスト様のものですわ。愛しています」
――愛してる。
前世で、誰にも伝えることがなかった言葉。
それを口にしたエレスティアは、胸へ、衝動のようにも感じる、熱くて痛いくらいの愛情が込み上げた。
「俺も、愛してる」
ジルヴェストがエレスティアを優しくベッドに戻した。
一糸まとわぬ姿になったエレスティアは、ついどきどきして、そっと手で覆い隠してしまう。
相手は夫。何も恥ずかしがる必要などないが、やはり恥じらいはある。
彼にこんなにも肌を見られたことは、ないから。
「とても、美しい」
ジルヴェストの目は熱に濡れて、きらきらと美しかった。
「恥ずかしくない。俺も、すぐに――」
彼が膝立ちになり、ナイトガウンを脱ぐ。
そこから現れた肉体美にエレスティアは見とれた。
彼の肉体は無駄なく鍛えられ、引き締まっていた。武人らしいその筋肉に、そっと手で触れてしまう。
「怖くはない?」
「怖くなんて、ありません」
見つめ合う二人には微笑みがあった。
「優しくする。愛おしい君が、痛くないように」
「はい……」
覆いかぶさってきたジルヴェストの重みに呼気を吐き出しながら、エレスティアは彼を抱きしめた。
彼の重みさえ愛しかった。
今日まで我慢してくれていた彼が、愛おしい。
彼も我慢に我慢を重ねてようやくこの日を迎えられたというのに、エレスティアへの配慮も欠かさず、特別な今夜をじっくり記憶に焼きつけるような、優しい手と唇――。
寝所には、次第に二人の吐息がこぼれだす。
触れ合っていくたび熱に心だけでなく、身も溶けていくのをエレスティアは感じた。
二人の境界線なんてなくなって、一つの体になっていくような感覚がする。もちろん、この先に待っているつながりに不安なんてない。
今、エレスティアにあるのは、自分のへの不安や緊張よりも、愛おしい夫への想いばかりだった。
翌日。
朝、いつもより日が高い時刻に目覚めたエレスティアは、ベッドで掛け布団を羽織った状態でぽうっとして紅茶を飲んでいた。
大丈夫そうならもう一度したいとジルヴェストに言われたのだが、三日間の祝日とはいえ皇帝が丸々休みなんて取れるはずもない。
確認したいことがあるという知らせが入り、ジルヴェストはいったんシャツにガウンを羽織って寝所から出ていった。
エレスティアはカットフルーツで腹も満たされ、侍女に淹れ直してもらった紅茶を楽しみながら、彼を待っているところだ。
(まぁ朝からまたしようとするなんて、誰も思わないわけで……)
ぼんやりとそんなことを考えたエレスティアは、我に返り、赤面した。
予想外にもジルヴェストに満足してもらえたのはよかった。
エレスティアはほとんど何もできなかったが、ベッドの上でのことを丁寧に教えてくれる彼はうますぎて――。
それはもう、丁寧な『一回』をした。
喜びに体が震えた。こうして安心させようとしてくれている彼のことも、愛おしくてたまらない。
(ああ、彼は思ったことを伝えてくださっているんだわ)
彼の心獣から、彼の心の声は聞こえなかった。
「エレスティア、俺を信じてくれるか?」
見つめ合っていると、ジルヴェストがベッドに上がってきて、二人の視線が同じ高さになる。
もう緊張も、彼に喜んでもらえるのかといった不安だって感じない。
「もちろんです。いつだって、ジルヴェスト様を信じています」
エレスティアは微笑み返す。それを合図のように、ジルヴェストが優しく押し倒した。
「ありがとう、愛してる。愛しいエレスティア。俺の、最愛の妻」
手をゆっくりと握りながら、彼が顔中にキスの雨を降らしてくる。
(さっきからジルヴェスト様の心の声が聞こえてこないのは、正直な思いを言葉にしてくださっているから)
彼のキスは顔以外へと向いていったが、不思議なくらいに緊張は感じなかった。
触れてくる手は優しかった。男の体はこうだとエレスティアの手を導き、触れさせてくれる仕草は優しくて涙が浮かぶ。
(私の夫が優しくて、幸せで)
心臓がはち切れそうだ。
今夜を待ち望んでいたのは、ジルヴェストだけではない。
「素敵な今夜を、ありがとうございます」
リボンの裾に手をかけたジルヴェストが脱がしやすいよう、エレスティアは背を浮かせるようにして彼を抱きしめる。
ナイトガウンが半ば乱れた彼の手が止まり、その広い肩が微かに震えた。慎重に息を吸う音が聞こえてくる。
「俺のほうこそだ――今夜、君のすべてを俺にくれ」
「はい」
リボンがほどけ、頼りない布がするりとエレスティアの肌をすべっていった。
「私の心はすでにジルヴェスト様のものですわ。愛しています」
――愛してる。
前世で、誰にも伝えることがなかった言葉。
それを口にしたエレスティアは、胸へ、衝動のようにも感じる、熱くて痛いくらいの愛情が込み上げた。
「俺も、愛してる」
ジルヴェストがエレスティアを優しくベッドに戻した。
一糸まとわぬ姿になったエレスティアは、ついどきどきして、そっと手で覆い隠してしまう。
相手は夫。何も恥ずかしがる必要などないが、やはり恥じらいはある。
彼にこんなにも肌を見られたことは、ないから。
「とても、美しい」
ジルヴェストの目は熱に濡れて、きらきらと美しかった。
「恥ずかしくない。俺も、すぐに――」
彼が膝立ちになり、ナイトガウンを脱ぐ。
そこから現れた肉体美にエレスティアは見とれた。
彼の肉体は無駄なく鍛えられ、引き締まっていた。武人らしいその筋肉に、そっと手で触れてしまう。
「怖くはない?」
「怖くなんて、ありません」
見つめ合う二人には微笑みがあった。
「優しくする。愛おしい君が、痛くないように」
「はい……」
覆いかぶさってきたジルヴェストの重みに呼気を吐き出しながら、エレスティアは彼を抱きしめた。
彼の重みさえ愛しかった。
今日まで我慢してくれていた彼が、愛おしい。
彼も我慢に我慢を重ねてようやくこの日を迎えられたというのに、エレスティアへの配慮も欠かさず、特別な今夜をじっくり記憶に焼きつけるような、優しい手と唇――。
寝所には、次第に二人の吐息がこぼれだす。
触れ合っていくたび熱に心だけでなく、身も溶けていくのをエレスティアは感じた。
二人の境界線なんてなくなって、一つの体になっていくような感覚がする。もちろん、この先に待っているつながりに不安なんてない。
今、エレスティアにあるのは、自分のへの不安や緊張よりも、愛おしい夫への想いばかりだった。
翌日。
朝、いつもより日が高い時刻に目覚めたエレスティアは、ベッドで掛け布団を羽織った状態でぽうっとして紅茶を飲んでいた。
大丈夫そうならもう一度したいとジルヴェストに言われたのだが、三日間の祝日とはいえ皇帝が丸々休みなんて取れるはずもない。
確認したいことがあるという知らせが入り、ジルヴェストはいったんシャツにガウンを羽織って寝所から出ていった。
エレスティアはカットフルーツで腹も満たされ、侍女に淹れ直してもらった紅茶を楽しみながら、彼を待っているところだ。
(まぁ朝からまたしようとするなんて、誰も思わないわけで……)
ぼんやりとそんなことを考えたエレスティアは、我に返り、赤面した。
予想外にもジルヴェストに満足してもらえたのはよかった。
エレスティアはほとんど何もできなかったが、ベッドの上でのことを丁寧に教えてくれる彼はうますぎて――。
それはもう、丁寧な『一回』をした。