ピッと封印!放課後のマジカル・プライスレス!
『……あ、あったかい……』

ココネちゃんの瞳に、少しずつ色が戻ってくる。
凍りついていた商店街の空気が、ふわりと春の匂いに変わった——。
キラキラとした光の粒が、桜吹雪のように商店街を舞い上がる。
カチカチに凍りついていた街灯やキッチンカーの氷が、春の陽だまりに溶けるみたいに、しずくとなって地面にしたたり落ちた。

「あ……」

ココネちゃんの真っ白だった着物が、淡い桜色のワンピースに変わっていく。
吹雪が止んだアーケードの奥から、柔らかな夕日が差し込んできた。

『……お姉ちゃん。もしかして、お姉ちゃんが、春を呼んでくれたの?』

ココネちゃんが不思議そうに自分の手を見つめる。
その胸元で、真っ白だったバーコードが、穏やかな琥珀色(こはくいろ)に輝き始めた。

【収受完了:約束を信じ続ける雪女・ココネ】
【属性:沈静化。心の解凍に成功しました】

画面に表示されたのは温かなメッセージ。

「……やったぁ……!」

わたしはその場にへたり込みそうになるのを、必死にこらえた。
隣では、盾にしていた看板を放り出した平が、大きく肩で息をしている。

「……まひろ、すげえよ。本当になんとか、なっちまったな」
「平、守ってくれてありがとう。すっごくかっこよかった……!」

平の顔は(すす)(どろ)で汚れていたけれど、その表情は今までで一番、まぶしく笑っていた。
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