ピッと封印!放課後のマジカル・プライスレス!
「……まひろさん。そのバーコードリーダーは、単なる分析機械じゃない。王を救うか、それとも完全に消去(デジタイズ)するか……。この世界の未来は、君の指先にかかっているんだよ」

蒼生くんに抱きしめられていたココネちゃんが光の粒子となって、バーコードリーダーの中へ溶けていく。
その間際、わたしの耳元で鈴のような声でささやいた。

『お姉ちゃん、気をつけて。「王様」のお兄ちゃんを狙っている、「黒い影」がすぐそばまで来ているよ……』

その直後、商店街の入り口の方から、パシャリ、パシャリとカメラのフラッシュが焚かれる音が聞こえてきた。

「大変だ、蒼生くん! こっちだよ!」
「ロケバスが動き出したぞ! 誰かに見つかる前に早く!」

どこからともなく、スタッフさんたちの声が近づいてくる。
蒼生くんは表情をゆるめると、最後にわたしの目をまっすぐに見つめて言った。

「またね、まひろさん。……次は、学校で会おう」
「……えっ? 学校って……?」
「どういう意味だよ!」

驚くわたしと、不満そうな平を置き去りにして、蒼生くんは風のように去っていく。
残されたのは『不可解な謎』だけ。

「……あいつ、最後までムカつくな」

平がいつもの調子で毒づいた。
だけど、つないだ手は少しだけ強く、力がこもっていた。
夕闇に包まれた商店街。
わたしたちの影が長く伸びて、やがて一つに重なる。
不器用なわたしの、大好きな人を守るためのデジタイズ・ミッション。
本当の戦いは、ここから始まるんだ——。

ピッ。

静まり返った町。
まるでわたしの決意を祝福するように、バーコードリーダーの音が短く響いた。
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