ピッと封印!放課後のマジカル・プライスレス!
「あっ……!」

わたしは確かに見た。
中井先生の背後、首のあたりにまとわりつく、黒い影のようなものを。

「ふん。やはり、アマビエは気づいたか。慎重に、事を運んでおいて正解だった」

中井先生が噛みしめるように言うと、チョークの粉が黒く舞い上がった。

「えっ!? 先生は、妖怪に乗っ取られているの?」
「そういうことだ、宮下」

わたしは恐ろしく感じたけれど、中井先生は不敵な笑みを浮かべる。
中井先生にまとわりついていた黒い影が、まるでヘビのようにグニャリと動いた。

「でも、どうして? ナナちゃんなら、すぐに先生の異変に気づくはずなのに?」

ナナちゃんは災いを予言して、病気の流行をしずめる力を持っている予言獣。
妖怪がいたら、すぐに察知できるはずだ。
それなのに、どうして!?

「宮下。おまえの近くに、アマビエがいることは分かっていたからな」

まるでいたずらの種明かしをするかのように、中井先生はにやりと笑う。

「魔よけ石から解き放たれた後、私はこの人間に()()いて、おまえたちの情報を引き出していた。だが、このまま教室に行けば、私の存在に気づかれる。だから、教室にいる間は、この人間から離れて、おまえたちが帰った後に取り憑いていた」

魔よけ石に封印されていた妖怪……!
だから、あの日、中井先生はいつもより、来るのが遅かったんだ!
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