ピッと封印!放課後のマジカル・プライスレス!
「わたしはそれでも、平のそばにいたい! これだけは、絶対に譲れないんだから!」

無我夢中で叫ぶわたしを安心させるように、蒼生くんは穏やかに微笑む。

「まひろさんなら、そう言うと思ったよ。これからは僕も、君たちの力になる。だから、安心して」
「蒼生くん……っ!?」

耳元でささやくのは優しい声。
蒼生くんにずいっと迫られて、わたしの心臓は壊れそうなほど暴れ出した。
どどどど、どうしよう!!
めちゃくちゃ近いんだけど!!
さっきまでの驚きとは異なる感情で胸が熱く、高鳴っていく。
そんなわたしたちを見て、ナナちゃんがうっとりと顔を赤らめる。

『まひろ様を巡って、新たな波乱の始まりですね! これはもはや、「究極の恋のトライアングル」ですの~!』

うわあっ!?
ナナちゃん、話、盛り過ぎだよ!!
しかも、『ラブラブ、くるりん!』と恋のダンスまで踊り出しちゃった!?

「くそっ……。助けてもらったのは感謝しているけれど……。何か、ムカつく……!」

平は何だか、納得いかなそうな顔で考え込む。
だけど、その温かな雰囲気に、わたしは何だか救われた気がした。

これからも、平と蒼生くんとナナちゃん。
大切な人たちと一緒に過ごしていきたい。

そう思えることが何よりの幸せだ。
茜色の空が、教室を包みこんでくれている。
あまりにも美しいその色に、吸いこまれてしまいそうだった。

みんなみんな、うまくいくといいな。
どうか、みんなが幸せに……。

ピッ。

夕暮れの放課後。
静かな教室に、わたしの喜びを歓迎するバーコードリーダーの音が響き渡った。
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