ピッと封印!放課後のマジカル・プライスレス!


戸惑い。
いや、戸惑いというより、恐怖という感覚に近かった。
あの時、妖怪さんたちは確かにいたはずなんだ。
耳元でささやかれたような声も、バーコードリーダーが反応した感触も、ちゃんと覚えている。
なのに、窓の外には誰もいなくて、当然のようにいつもと変わらない夕暮れの空が広がっていた。
まるで、『妖怪さんたちがいた』という事実だけが抜き取られたみたいだった。

「『危険なコード』……。あの妖怪さんたちは一体、何者なんだろう……」

声が、いくらか低くなったのが自分でも分かった。
平を狙う、妖怪さんたちの思惑。
考えても考えても、核心には踏み込ませてくれない。
あの日のことを思い出していたわたしは、はたと重大なことに気がついた。

「確か、平にも、同じような警告が出ていたよね……。平の場合は、未確認の『王のコード』だったけれど……」

不安を抱いたわたしは授業中もついつい、平を見てしまう。

平が、すべてのあやかしを統べる『黒の王』。
あやかしの王なんて、今でも信じられない。

わたしたちは魔よけ石の封印が解けたことを皮切りに、様々なあやかしと出会ってきた。
カラス天狗、雪女、そして怨念妖怪。
その度に、恐怖で心臓が何度も止まりそうになった。
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