†鑑査委員制度†
「じゃ例えばですがそうですね・・・僕は瀬川君と同じ鑑査委員で、お互い協力体制にあります」
「はい」
何を意図しているのかは分からなかったが、取りあえず先生の話に相づちを打つ。
「そんな僕にある日、彼女ができました。どうしますか?」
「鑑査員とするなら鑑査を・・・あっ・・・」
「気づきましたか?お互い同じだけの能力と顔を把握しているのが厄介ですね」
分かった。確かにこれは禁止になるな。
この例え話は、俺や柴田先生は“鑑査員”なんだ。
当然お互いがお互いを、鑑査をする権限を持ったまま協力している。
しかしどうだろう、実際どんなに些細な事だろうと相手の鑑査対象を見つけてしまった場合。
その時は情や私情があって報告出来なくなるかもしれない・・・俺がさっき、姫宮ミコトを把握している故で、三谷光輝の名前を挙げられなかったように。
せれにそれだけでなく、一度そこに気づくと疑心暗鬼に陥る。
もしかしたらコイツは自分に対して鑑査を行うんじゃないかと。
そうなれば道は二つ。
その旨を相手に伝え、お互い鑑査しあわないと協定を結ぶか・・・
決裂を起こすか。どちらにしても学校側にはよろしくない事態だろう。
特に前者の場合、鑑査が手緩くなるのは学校側としては不本意という訳だ。
「瀬川君が今察したそれだけが理由でも無いのですが、だいたいそんな感じです。理解して貰えましたか?」
苦笑いを浮かべた先生に、何をどう答えればいいのか戸惑う。
学校側、まじで本気だな。
自分達が選んだはずの鑑査員ですらあっさり鑑査対象に入れてお互いを抑止し合わせる。
鑑査委員制度って、本当のところは俺達生徒をどうしたいのだろう?
今までは行き過ぎた「監視」だと考えていた。
でもこれじゃまるで・・・