†鑑査委員制度†


頭で結論を出す前に、柴田先生の言葉で思考を遮られた。


「どうですか、書けましたか?」


そう言い報告書を覗き込む。


「あぁ、いいですね。内容も簡潔で分かりやすいですし」


そう静かに微笑まれ、明日からは本格的に書き込みをするように指示を受ける。


俺は何だか釈然としないままだった。


「本当はもう、瀬川くんに鑑査を一任して、週末だけ僕がここに訪ねるだけで構わないのですが、生憎もう夏休みが近いので、明日その話しを交えつつここでまだまだ説明させて下さい」


あぁそうか、もう一週間もすれば夏休みか・・・


一年時は夏休みに入ってすぐに臨海学校があるとすでに説明されているし


それに日下辺高校では夏休みに入っても、7月一杯まで午前中に夏期講習があるため、なんだかんだ学校へ足を運ばなければならない。


当然、鑑査は引き続き必要だと言う事だろう。


俺はそれに承諾すると、柴田先生はこの後に用事があるらしく、挨拶もそこそこに資料室を後にした。


残された俺は考える。


特に鑑査委員は互いに会うなと言うことについて・・・


姫宮ミコト達はどこまで知っている・・・?


どちらにしても、完全に学校側の都合の決まりだと分かった以上、俺の反骨心も充分だ。


従ってやる義理もあるまい。


これで完全に姫宮ミコトや椿千里と会う後ろめたさのような物は無くなった。


誰が守ってやるものか。


そうしてもうすでに再び引き出しに仕舞われた、黒いファイルを思う。


さて、問題はこれの扱いをどうしたものかだな・・・


俺は浅くため息を一つ吐き、バックを手にとり資料室を後にした。
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