†鑑査委員制度†


「なにをしているの?あなたも早く来なさい」


苛立ちを滲ませた声で姫宮さんに鋭く睨まれ、そのただならぬ光景にただただたじろいで俺は固まった。


「ちょっと?同じことを何度もいわせないでちょうだい」


「はっ、はい」


再び怖い声でお呼びがかかり、自分でも酷く情けなく思う。返事がうわずった。


そして散々と悩んだ挙げ句、結局千里くんに倣って姫宮さんの前で膝を折る。


「何で私が怒っているか、分かるかしら?」


姫宮ミコトは今日は髪を、顔の左サイドで一つに束ね相変わらず豪華に巻かれた長い髪に、ピンクのスパンコールが散りばめられたシュシュで縛っていた。


そして今、幼気な少年2人を膝詰めにして、腕組みに仁王立ち。しかも眉を吊り上げてこの高圧的な物言い。


いよいよ女王様は彼女の代名詞だ。いや、むしろ女皇帝?


そんなどうでもいい事を考えていると、姫宮ミコトから再び声が飛んでくる。


「な・ん・で、私が今怒っているか聞いてんのよー!!」


「ミコト、悪かったって。透くんもまだ馴れてないわけだし、そう怒るなよ」


・・・どうやら俺に原因があるようだ。


「姫宮さん、何かごめん。僕、何か気に障ることしたみたいで・・・」


急いでそう謝ると、姫宮ミコトはそっぽを向いて「全く」とか「馬鹿が」何て呟いていた。


そして再び俺達2人に一瞥をくれ


「ところで何であんた達、正座してるのよ?」


と、不機嫌そうに呟いた。俺はその発言に驚いて、思わず千里くんを見やった。当の椿千里は涼しい顔をして、


「だって、そういう雰囲気だったじゃん」


何てケロッとした物言いをする。


「馬鹿にしてんの!」


その発言に姫宮さんは案の定逆上する。


俺はと言うと、高校生にもなって女の子に正座で説教という間抜けな構図を、しかもその場の流れによって自分がそうしてしまった事にうなだれた。


・・・何やってんだろ俺?
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