音のない世界で、君に恋をする。
後ろをついて歩くと、着いたのは小さな公園。
人が誰もいなくて、静かな世界がもっと静かに感じる。
彼が、一つだけあるベンチに座った。
そういえば、まだお礼を言ってなかった。
慌ててポケットからスマホを取り出し、震える指で打つ。
【助けてくれて、ありがとうございます】
見せるとともに、ぺこっとお辞儀をした。
彼は私を見たあと、画面を見て、眉を寄せる。
そして、また私を見る。
彼の口が動くけど、上手く読めなくて、首を傾げた。
一瞬、ほんの一瞬だけ、彼の表情が変わった気がした。
怒りじゃない、何かを察したみたいな顔。
「……聞こえねぇのか」
その言葉に、恐る恐る頷いた。
……めんどくさいって、思われたかな。
だけど、彼は目を逸らさない。
同情も、哀れみも、ない。
ただ、真っ直ぐ見つめられた。