音のない世界で、君に恋をする。
もう一人の人は、ソファに座って、こっちに一つも興味を示さない。
黒い髪が目にかかっていて、顔がよく見えない。
「あれは、御影燐」
私の視線に気づいた陽翔さんが、ポンポンと肩を叩いて、スマホを見せてくれた。
一瞬、燐さんがこっちを見た気がしたけど、すぐに逸らされた。
「燐は、愛想ないだけだから。気にすんな」
すかさず、颯馬さんがフォローしてくれた。
私はスマホを取り出して、文字を打つ。
【白石澪です。よろしくお願いします】
スマホを見せて軽く会釈をすると、「澪ちゃんね、よろしく」と言って、またみんな優しく微笑んでくれる。
「こっち」
ずっと立って話していた私たちを見かねたのか、スマホを持つ手を湊さんに引っ張られ、二人掛けのソファに座らされた。
向かい合うソファには陽翔さんと颯馬さん、一人掛けのソファに、透さんが座った。
燐さんは、いつの間にか奥にある椅子に移動して、雑誌を読んでいる。