音のない世界で、君に恋をする。
さすがにこれ以上ここにいるわけにもいかず、湊さんと席を立った。
帰り際、「澪ちゃん、またね」「じゃあなー」と口々に言われて、手を振って部屋を出た。
燐さんは帰るときまで無言で、一度も目が合うことはなかった。
帰り道、湊さんは終始無言だった。
何か話そうと思ったけど、結局何も思いつかなくて、気づいたら家の前に着いていた。
【今日はありがとうございました】
変な男たちから助けてくれたこと、帰りたくない私を溜まり場に連れていってくれたこと、家まで送ってくれたこと、全ての意味を含めて、そう書いた。
何も言わない湊さんに、少しだけ迷って、続けた。
【もう大丈夫です】
すると、彼の目が、僅かにだけどまた鋭くなった気がした。
「……大丈夫じゃねぇ顔してる」
心臓が止まりそうになる。
どうして、そんなに見抜くの……。