音のない世界で、君に恋をする。
扉の向こうから現れたのは、ホワイトブロンドの髪———湊さん……?!
春の光が反射して、ほとんど透けて見える。
私の存在に気づいた湊さんがこっちを向いて、目が合うと、少しだけ驚いた顔をした。
……まさか、同じ高校だなんて思わなかった。
昨日の私服とは違って、着崩した制服もまた様になってて。
首元には、昨日と同じシルバーのネックレスが光る。
“目、離せなかった”
昨夜の言葉が浮かぶ。
一歩ずつ近づいてきて、少し離れた場所に腰を下ろす。
「……ひとりか?」
またあの少し困ったような、苦しそうな顔でそう言った。
【屋上、好きなんです】
こくっと頷いて、そう書いて見せた。
「静かだからか」
一瞬固まって、小さく頷いた。
「……俺も」
湊さんは空を見上げ、少しだけ目を細めた。
その横顔を、思わず見つめてしまう。
「うるせぇの、嫌いだから」
そう言うと、持っていた缶コーヒーをぐいっと一口飲んで、目を瞑ってしまった。
聞こえないけど、たぶん沈黙。
でも、不思議と気まずくはなかった。