音のない世界で、君に恋をする。
それ以降、特に湊さんとは何もなくて、無言の時間を一緒に過ごしていた。
高校生活が始まって、あっという間に二週間。
相変わらずクラスでは浮いてるし、誰とも喋ることがない。
授業中、前の席の女子二人が、こっちを見ながら何やら小声で話していた。
「ねぇ知ってる?あの噂」
「うん、湊先輩でしょ?」
「ヤバいよね」
何を言っているかは分からないけど、くすくす笑ってるのだけは分かる。
視線はノートのまま、指が止まる。
「入学早々ああいうのとつるむとかさ……」
「度胸あるよね」
何を話しているのか気になるけど、聞く勇気はない。
でも、確実に私のことなのは分かる。
チャイムが鳴ったらしく、すぐに会話は終わったけど、私の中のモヤモヤした感情だけが残った。
いつもより時間が経つのが遅く感じて、やっと昼休み。
少し早足で屋上に向かった。
扉を開けると、いつもより風が強かった。