音のない世界で、君に恋をする。



どう答えようか悩んでいると、湊さんが突然立ち上がった。



え、帰る……?





少しだけ、胸がぎゅっとなる。





だけど、彼はドアの方へは行かず、私の目の前に来てしゃがんだ。



逆光で、あまり顔が見えない。





「俺にかけろ」





……え?





「迷惑」



確かに湊さんはそう言っていた。





訳が分からなくて、思考が停止する。



だけど、真っ直ぐな目。





「俺は疲れねぇから」



その言葉に、胸の奥で何かがひび割れた気がした。





“うざい”



“疲れる”



中学のときに、植え付けられた言葉たち。





それを壊すかのように、湊さんは否定してくれた。



まるで、私が欲しい言葉が分かってるみたいに。





鼻の奥がツンとして、目頭が熱くなる。



【どうして】



気を抜いたら溢れてしまいそうになる涙を必死で堪えながら、震える指で文字を打つ。


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