音のない世界で、君に恋をする。
「なんか言われたか?」
必死で涙を堪えていると、湊さんが聞いてきた。
クラスで噂されてることを言ってしまうか悩んだ。
もうとっくにひとりでは耐え切れなくなっていて、全部話して楽になりたかった。
……だけど、やっぱりまだどこかで迷惑をかけたら嫌われてしまうかもと怯える私は、小さく首を振った。
「ちっ……俺のせいだな」
その言葉に、必死に首を振った。
湊さんのせいなんかじゃ、絶対に無い。
【私がここに来てるから】
それを見ると、また眉間に皺を寄せて怒ったような顔をした。
「じゃあ来るな、って言えば来ねぇのか」
ここに来られなくなってしまえば、私は学校にも居場所が無くなってしまう。
何も答えられずに俯いていたら、ぽんっと頭に手を置かれたので顔を上げる。
「だろ」
目を細めて優しく微笑む湊さん。
「俺は、お前がここに来る方が良い」
……なんで、こんなに私を受け止めてくれるんだろう。
目の前に立つ湊さんは、今までに見たことないくらい優しい笑顔だった。