音のない世界で、君に恋をする。
「立場分かってる?」
すぐに澪に声をかけようと思ったけど、その言葉に足が止まった。
澪の前に立つ女子。
澪は何かを言い返すわけでもなく、ぎゅっと手でスカートを握っている。
「何してんの」
その女子に向けて、少しデカめの声で言った。
すると、そこにいた全員が一斉にこっちを見る。
一気に静かになったと思ったら、ざわざわし始める教室。
「え、湊先輩じゃん!」
「なんで一年の教室に?!」
うっせぇ……だから嫌いなんだよ……。
こっちを向いた澪と目が合って、名前を呼ぶ。
少しだけ驚いて、大きい目をさらに大きく丸めてる。
まだなんか騒いでる女子たちを無視して、澪の元へ向かう。
机の上に置いてあった弁当を持って、澪の腕を取って歩き出そうとすると、視線を感じた。
さっき澪になんか言ってた女子だ。
「なんか用?」
イライラがだいぶ募っていた俺は、冷たくそう言い放った。
女子は怯えるようにしていたけど、そのまま無視して教室を出た。