花束に囲まれた君が残したもの。

ー道しるべー

小屋の中に入ると、
アジアン風の絨毯にクッションが何個か転がっていた。
壁には楽器が並べられていた。

「僕はパソコンで作曲とそこにあるキーボード、ツユはギターとボーカル、クワはドラムをやるんだ。」
ハギがゆっくり説明をする。
 
「本当は他にもいろいろ持ってきたかったんだけどさ、何せ電気が通ってないし、持ってくるの大変でさ。キーボードもポータブル電源でなんとかできてるって感じ。」

そう言うとクワは壁にかけてあったランプを取り、ポケットからマッチを取りだして火をつけ、ランプの灯りをつけた。

少し暗かった部屋はクワとツユちゃんを中心に温かさが広がる。

「これはこれでいいだろ?」
クワはそう言い、ランプを見つめた。

さらにツユちゃんが言う。
 
「私たちは楽器を置いてるけど、他にもいろいろ置いて好きに集まりたいの。例えばヒマちゃんは花が好きでしょ。そしたらいっぱいお花飾って欲しいし。」

「え、いいの?!そうしたいなって思ったの!」
ヒマは嬉しそうだった。

「なんだか宝箱みたいだね。」
シーちゃんが呟いた。

僕はシーちゃんの言葉はなんだかおとぎ話のような不思議な感じがするけど、とてもピッタリな言葉だとも思った。
 
「さっ本番は明日だよ!今日は絶好ポイントを探さないと!」

とツユちゃんは片手に持っていたさっき買った蛍光リボンを掲げて小屋の扉を開け外に出た。

「夜は真っ暗になっちゃうから、道の印をつけておこう。」
ハギが続けて外に出る。

なるほど、そういう事か。
僕はやっと理解できた。

明日の準備とは道しるべを作っておくことだった。
確かに今来た道は夜歩くにはなかなか慣れてないと難しい道だ。
これだけ事前に人を集めたのもきっと手分けするだろう。
 
結局僕らはその後1時間くらい、道しるべになるようにポイントになる木の枝や岩にリボンを巻いた。
疲れきって帰り道にみんなでファミレスに寄った。

お昼ご飯を注文する前にまず先にとアイスを注文してすごい勢いで完食した。
ファミレスでは誰がどう知り合ったかなど、そんな話で盛り上がった。
 
話をまとめると、ハギ、クワ、ツユちゃんが幼稚園から、僕とヒマは小学校からの幼なじみ。
ハギと僕、ツユちゃんとヒマとシーちゃんはそれぞれ中学生からの友達らしい。

さすが僕らの学校が島にあるだけあって繋がりが近いなと思った。

ファミレスの後はみんな各自解散をした。
明日の午後3時に集合することになった。
やっと流星群を見るんだという実感が湧いてきた。

僕は家に帰ってから、カメラの操作を最後にもう一度、色々触りながら勉強することにした。
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