花束に囲まれた君が残したもの。

ー表裏ー

僕がカメラを取りに小屋の扉に手をかけると、話し声が聞こえた。

シーちゃんとユリちゃんだろうか。
僕は聞こえてしまった会話に僕は入ることを躊躇ってしまった。



ユリ「ハギとどうして付き合っているの。」

そうなのか…?!僕は驚いて声に出そうだったので慌てて口を塞いだ。
事実を知ったことより聞き耳立ててることを知られるとまずいと思い焦った。
 
シオン「えっと…お互い好きだから…?」

ユリ「そんなのはわかってる。なんでハギなの。」

シオン「それは優しくて、笑顔が素敵で…なんでそんなこと聞くの?」

ユリ「…私は小学生の時からハギのことが好きだったの。だから…ハギから中学生になって彼女が出来たって聞いてショックだった。だからせめてどんな子か知ろうと思って今日来てみたら、なんだかいい子そうだから……納得してる自分にムカついてる。」

僕は服がユリちゃんだけ違ったことに合点がいった。

そしてハギ、あいつモテすぎだろ。
と俺の周りにはモテる人しかいないのかと少し嫉妬した。
 
シオン「…なんて言えばいいか分からないよ…。」

ユリ「まだ私諦めた訳じゃないから。色々考えたんだけど、ハギが幸せになるなら納得する。だけど、何かハギが辛い思いするなら私はシオンちゃんを敵だと思うことにする。」

シオン「…わかった、私はハギくんを幸せにする。だからユリちゃんとも仲良くしたい。」

ユリ「…」



僕は聞いちゃいけない会話を聞いたのだろうか…
ただカメラを取りに来ただけなのに…
どう言って取りに入ろうか…

こんな時ヒラだったら…

僕はさっきのヒラのテクニックを思い出して、必死にセリフを考えてから一呼吸した。
そして勢い任せに扉を開けた。

「カメラ忘れちゃったぁ!失礼しまぁす!」

こんな感じでいいのだろうか…ヒラの真似してみたが恥ずかしすぎて今にも逃げ出したい気分だった。

ユリちゃんとシーちゃんはキョトンとしていたが、少し時間が経つと「何それ…笑」と2人笑っていた。

良かった…多分成功した(?)。
ついでに余計なお世話かなと思ったけど、カメラを首にかけ、出ようとした時に一言2人に聞こえるように呟いてみた。

「久しぶりのひなたぼっこは気持ちがスッキリしたよ。暑いけどさ。」
せっかくなんだからいい思い出にしたい。

2人に意図が伝わって欲しいと思っていたら、
早速シーちゃんが

「私たちもせっかくだから行こう。」

ユリちゃんの手を握り、声をかけた。
良かった。意図が伝わってくれた…

今度は3人でみんなのいる高原に飛び出した。
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