花束に囲まれた君が残したもの。

ー青春のホイッスルー

いつも通り授業を受けた後、5限目で僕、ハギ、ヒマ、シーちゃんの4人で体育館に集まった。
ツユちゃんとクワは用事があり少し遅刻してくるそうだ。

僕らは体育館の2階ギャラリーからコートを見下ろした。
 
ピーー
 
ブザーと共にボールが高く上がる。
ジャンプボールが上がり、ボールはヒラのチームへ渡った。

「よっしゃいけぇ!」

僕らは声を大にして声援を送る。
僕らもなかなか大きな声だと思ったが、やはりヒラだ。
ヒラにボールが渡った瞬間、1階端の方にいる黄色い声援がすごく響いた。

「キャー!」
「頑張って!」

そんな声が飛び交う。

僕の隣にいたハギは
「有名人は大変だ…」と呟き、少し顔がひきつり気味だった。

ハギでもそう思うか…僕は少しおかしく感じた。
ハギはてっきりヒラ側だと思っていたのに。
 
「ハギが音楽でステージに立ったら、もっとすごいかもよ」
僕はハギに笑って言う。

「僕には無理だよ…」
そういうと、また黄色い歓声が上がった。

ヒラがサイドの女の子達にお礼をするかのように手をひらりと振っていた。

「ファンサービスはああやってやるんだって。」
僕はまたハギに笑って言う。

「えええ…」
ハギが今度はギャラリーの柵に頭を伏せた。

「僕は絶対むり…」
その瞬間だった。
 
ゴーール!
 
審判の声が響く。
僕らが喋ってる間にどうやらヒラが点数を決めたらしい。

「しまった…」

僕らは声を揃えた。

「ちゃんとみてないとダメだよ。」

シーちゃんが僕らに少し怒った顔で言ってきた。
怒っても小動物感は抜けないのだが…だからこそ心にくるものがあった。

「はぁい…」

僕らは少ししょげながら返事をして、コートに顔を向けると、そこにはヒラが見とけよ。
と自分の目と僕らの目に人差し指と中指を交互に向けて指で合図をしていた。

「やっべ、バレてた!ヒラ、試合しながら僕らを見ていたのか?!」

なんて器用なやつなんだと思った。
 
「ゴール決めたらすぐ私たちのこと見てたもん。ゴールの瞬間見てなかったのバレてるよきっと。」

ヒマが笑って言った。

その後は僕ら(特に僕とハギ)は血眼になってヒラのプレイを見て全力で応援した。

途中で来たツユちゃんとクワには僕らの応援する姿が全力すぎて若干引かれていたような気もするが気にしたら負けだと思った。

最終的に試合は20対12でヒラのチームの勝利だった。
1時間半ほどの試合で、終わったのは19時すぎだった。
20時に山小屋集合とヒラには連絡を入れたが、既にヒラは女の観客に囲まれていたので、その姿を見たツユちゃんが、

「演奏開始は20時半にしようか…」
と苦笑いして言った。

あいつは大変なぁとみんなで笑いながら、そのまま山小屋へ向かった。  
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