花束に囲まれた君が残したもの。

ー古い玩具ー

時は色を変えてすぎていく。
海や山、街に山小屋。
色々なところで集まっては撮影をしたり話をした。

景色は木の葉が落ちて少しづつ色を失う一方で、僕らの色は少しずつ元に戻ろうと変わり始めている。

学校行って、たまに病院でハギの様子を見に行って。そして家に帰って動画を作る。
そんな時間を過ごしていたある12月中旬。
家で動画作りの作業をしていると、携帯に一通のメッセージが来た。
 
ヒマからの連絡だった。

〔おつかれ!明日から3日間くらい山小屋一緒に来てほしくて…時間もらえないかな〕
 
やけに律儀なお誘いだった。
いつものヒマなら当日でもお構いなしに誘ってくる。
僕は違和感を感じつつも、気になって即〔OK〕と返信した。

次の日、日中たまにヒマの様子を見ていたが特に大きな違和感はなかった。
いつも通り声は大きいし…よく笑ってる。
僕の考えすぎだったかもしれないと思った。

授業後、日が傾き始める頃、約束通りヒマに声をかけられ、ヒマの家に一度荷物を取りに行った。

ヒマに持って。と持たされたのは大きなダンボールだった。
ヒマはヒマで大きな袋を抱えている。

カラスの鳴き声が響きわたる。
薄暗くなった草道を大荷物を持ちながら慎重に進み山小屋へ向かう。

道中、僕はヒマに「この中身はなんなんだ?」と聞くと、「ついてからのお楽しみ!」と言って教えてくれなかった。
僕らは重たい荷物を寒い中せっせと山小屋まで運んだ。着いた時には2人ともヘトヘトだった。

「ちょっと休憩。」

僕らは山小屋のランプのあかりを灯して床に座り込む。

「中身みていいよ。」

ヒマは息を整えると僕に言った。
僕はやっと見ていいのかと休みながらダンボールを開けた。

そこには僕らが小さい頃によく飾りつけをしたクリスマスのデコレーションが沢山入っていた。

「懐かしいでしょ。覚えてる?」
「そりゃ…覚えてるよ。」

小さい頃ヒマの家によく遊びに行ってた。
クリスマスの時期になると大きなツリーが飾られて、そこに僕とヒマは小さい身体を精一杯使って装飾をしていった。

完成したツリーの輝きがとても綺麗だったのは、今でも覚えている。

「飾りってこんなに小さかったっけ?」
 僕は疑問に思いヒマに聞く。

「何言ってるの。私たちが大きくなったんだよ。」

ヒマは笑いながらそう言うと少し一息おいて、

「私たちは変わらないってことは無いんだよ。」

そう言って立ち上がり飾りの入ったダンボールをひっくり返す。

「これ、全部ここに飾ろう!」

ランプを背に立ち上がったヒマの顔は暗くて見えなかったけど、どこか寂しそうに見えた。

僕らは今日は運ぶだけで疲れてしまったため、明日から飾り始めようと今日のところは家に帰ることにした。
 
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