花束に囲まれた君が残したもの。

ー夏のあだ名ー

セミの音は鳴り響き、大きな入道雲が顔を出す。
汗でベタつくTシャツをパタパタめくりながら、うちわを片手にそーめんをすする。

夏休みが始まった。

基本僕は夏休みは家に居る。
ゲームをやって、漫画を読んで、ごろごろテレビを見ていた。ゆっくりすることはとても至福な時間だ。
でも家に居るばかりもなんだか良くないかもと思い、僕は週に数回、図書館に行き、本を読み漁る。
これも去年と同じ同じ過ごし方。
 
ただ1つ今回の夏休みでひとつ違うことがある。

それは父に譲ってもらったカメラを図書館の行き帰りにぶら下げて、たまに立ち止まっては風景の写真を撮っていることだろうか。
何となく星を綺麗に撮ってみたくて始めてみた。

そんな大きく代わり映えのない日々を過ごしていると8月8日の夜、僕の携帯に連絡が入った。

「明日買い出ししに行かない?」
連絡元はまさかツユちゃんだった。

連絡先教えたっけ。と思いながらもこだわる理由もないのでOKのいうスタンプを返すと、明日の9時学校前の駄菓子屋集合との事だった。

8月9日9時
僕は待ち合わせの場所に行くと声が響いた。

「ツッキーきた!えーとクワにハギ。ヒマにシーちゃん、よし今日のメンバーは全員だ!」
そう楽しそうに話すのはツユちゃんだった。

「椿、おはよう。」
声をかけてきたのは萩だった。

「おはよう。僕あまりツユちゃんのこと知らなかったけどこんな元気な子なんだね…」

「いつもこんな感じだよツユは…」 

萩は少し微笑みながら言う。

「おはようっ、ツッキー!連絡取れたんだね!」

ヒマが僕の背中を軽く叩くと後ろから顔をのぞかせてきた。朝から元気なのは1人だけじゃないなと少しため息をつく。
ツユちゃんに僕の連絡先を教えたのはヒマだったか…

「朝から元気だなぁ。ところでツッキーって誰のことだよ。」

そう僕が頭をかきながら言うと、待っていたかのようにヒマは横に体をスライドさせると、ヒマの後ろに隠れていたツユちゃんが話し出す。

「ツバキくんのツとキを取ってツッキー!あだ名って仲良くなったことの証みたいな感じがしてワクワクしない?」

そんなものなのか?と思いながらもツユちゃんのキラキラした目を見ると悪い気はしなかったので、「わかった。」とだけ答えた。
 
「おっしゃ!みんな揃ったし行くか!」
桑原…クワが先陣をきる。

学校の近くの「中村屋」に向かうらしい。
僕らのほしいものは基本「中村屋」に置いてある。
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