意地悪な副社長に狂うほど愛される
駿と凜華があゆ美を見送るとホテルの前の道路に黒塗りの高級車が停まった。
中から運転手が出てくると後部座席を空ける。

「それでは私はこれで」
「はい」

凜華は名残惜しそうに駿の腕から離れた。
車の中に凜華が入ると運転手が扉をしめ、駿に向かってお辞儀をした。
駿は運転手にうなずくように会釈をする。
後部座席の窓が開くと「また近いうちに」と笑顔で言った。

「ええ、時間をつくります」

車は出発した。
凜華は見えなくなるまで駿が見送ってくれていることに満足していた。

「本当に噂通りの完璧な男」

凜華はスマホを取り出して電話をかける。

「あ、御堂おじさま? ええ。お会いしてきましたわ。とっても気に入りました。駿さんも私を婚約者として認めて下さっているようです。ただ・・・・・・」

凜華は笑顔を無くし無表情となった。

「私たちの間を邪魔する方がどうやらいらしているようです。調べて下さるかしら・・・・・・はい、名前は宮木あゆ美・・・・・・御堂グループの社員のようですわ」

凜華は笑顔になる。

「ありがとうございます! では、よろしくお願いしますね」

凜華は耳からスマホをおろすと窓の外を見た。

「完璧な男に必要ないものは消えて貰わないとね」


同じ頃、書斎にある机にスマホを置いた太郎は横にあった資料を取りあげた。
そこには『宮木あゆ美』と書かれた資料と、あゆ美と駿がレストランで食事をしている姿や車に乗っている2人の姿を隠し撮りした写真が付けられている。
太郎はその資料を乱暴に机に置いた。
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