意地悪な副社長に狂うほど愛される
御堂駿の思い
「今週はたくさん会っていただき感激しました」
「そんなに喜んでいただけて光栄です」
凜華の言葉に微笑で駿は答えた。
2人は最上階のレストランで夜景を見ながら食事をしていた。
凜華は最後のデザートを食し、駿は紅茶を飲んでいる。
「駿さん」
「はい」
「あなた、私とのこと本気で考えておりまして?」
「ええ」
「本当にそうかしら?」
駿は顔色を変えずに凜華を見た。
「私はあなたと結婚を考えております」
「そうですか」
「そこは、僕もですって言うところでは?」
「まだ出会って2週間ですよ」
「私たちの関係に時間は必要?」
凜華は挑戦的な態度を見せた。
「何が言いたい」
「私が何も知らないと思って?」
駿は凜華を見つめるだけにとどめた。
凜華は何も話してこない駿に呆れた。
「来月、新社長の任命がありますよね?」
「ああ、よくご存じで。うちの社員も知らないのに」
「順調にいけば、あなたでしょう」
「そうですね」
「あなたはお兄様に勝ちたいんですよね」
駿は黙った。
図星だった。
「本来ならお兄様がなるはず。なのに弟のあなたが社長にということはお兄様との間に何か確執があるのでは?」
「あなたには隠し事は難しいようだ」
「場合によっては協力してあげてもよくてよ」
凜華はそういうとニヤリと笑った。
「あなたをくだらない兄弟喧嘩に巻き込むわけにはいかない」
「兄弟喧嘩?」
凜華は眉をひそめた。
「ええ、ただの兄弟喧嘩です」
あれは8年前だった。
彼女に出会って仕事に真面目に向き合うことを決めた。
しかし父の評価は変わらず兄が社長だった。
それでもよかった。
誰が社長なんか、なんてどうでもいい。
そんな思いで半年、働いた時だった。
兄はまったく業績を残せず、俺は真逆に御堂ツーリストという小さな会社を過去最高益をだし、グループ全体のことも考え、父に投資先の助言などもしていた。
俺は本社で父の傍で働くことになった。
そのまま3年間、働いた時だ。
「お前を副社長にしようかと考えている」
父にそう言われた。
俺は兄にいつの間にか勝っていた。
「肩書きなんか、どうでもいいです。兄さんを副社長にしてください」
俺は昇進を断った。
そのすぐあとだった。
翌年の新卒採用の説明会の席で、俺は彼女を探した。
しかし彼女の姿はなかった。
大学を出ていれば、今年参加するはず。
そう思って、ずっと待っていた。
しかし彼女の姿はなかったのだ。
もしかすると、別の枠かもと思い、新卒採用のデータを検索した。
すると3年前のデータに彼女を見つけた。
なぜーー
彼女が高卒で御堂ツーリストを受けていたのだ。
『不採用』
その3文字に打ちひしがれた。
しかも不採用の理由が高卒だから。
頭にきて、人事部に聞くと会社が高卒を取っていないことを初めて知った。
俺はなんて世間知らずなのだーー
彼女の生い立ちもデータで知った。
当たり前に大学へ行き、新卒で入社すると思っていた。
しかし彼女は高卒で働き、希望した会社に不合格だった。
「なぜ、高卒は採用しないんですか」
「昔は採用していましたが、役員会で決まったんです」
「そうですか」
兄に相談しても無駄だった。
「余計なことはしなくていい。現状で会社はうまくいってるじゃないか」
「現状維持がいいと?」
「そうだ。口出ししないのが1番いい」
「兄さんは何もしなければマイナスにはならないと思っているのかも、しれませんが」
俺がため息交じりに言うと兄は俺を睨み付けた。
「こんだけ早い時代の流れでは何もしないことは後退を意味するんですよ」
しかし兄に俺の気持ちが伝わることはなかった。
俺もたった1人の女の為に、これだけ必死になっている自分、これ以上、言葉で兄を説得する力は持っていなかった。
だったら俺が役員になる。
兄より上に立つ。
その時、俺は役員になる決心をした。
「そんなに喜んでいただけて光栄です」
凜華の言葉に微笑で駿は答えた。
2人は最上階のレストランで夜景を見ながら食事をしていた。
凜華は最後のデザートを食し、駿は紅茶を飲んでいる。
「駿さん」
「はい」
「あなた、私とのこと本気で考えておりまして?」
「ええ」
「本当にそうかしら?」
駿は顔色を変えずに凜華を見た。
「私はあなたと結婚を考えております」
「そうですか」
「そこは、僕もですって言うところでは?」
「まだ出会って2週間ですよ」
「私たちの関係に時間は必要?」
凜華は挑戦的な態度を見せた。
「何が言いたい」
「私が何も知らないと思って?」
駿は凜華を見つめるだけにとどめた。
凜華は何も話してこない駿に呆れた。
「来月、新社長の任命がありますよね?」
「ああ、よくご存じで。うちの社員も知らないのに」
「順調にいけば、あなたでしょう」
「そうですね」
「あなたはお兄様に勝ちたいんですよね」
駿は黙った。
図星だった。
「本来ならお兄様がなるはず。なのに弟のあなたが社長にということはお兄様との間に何か確執があるのでは?」
「あなたには隠し事は難しいようだ」
「場合によっては協力してあげてもよくてよ」
凜華はそういうとニヤリと笑った。
「あなたをくだらない兄弟喧嘩に巻き込むわけにはいかない」
「兄弟喧嘩?」
凜華は眉をひそめた。
「ええ、ただの兄弟喧嘩です」
あれは8年前だった。
彼女に出会って仕事に真面目に向き合うことを決めた。
しかし父の評価は変わらず兄が社長だった。
それでもよかった。
誰が社長なんか、なんてどうでもいい。
そんな思いで半年、働いた時だった。
兄はまったく業績を残せず、俺は真逆に御堂ツーリストという小さな会社を過去最高益をだし、グループ全体のことも考え、父に投資先の助言などもしていた。
俺は本社で父の傍で働くことになった。
そのまま3年間、働いた時だ。
「お前を副社長にしようかと考えている」
父にそう言われた。
俺は兄にいつの間にか勝っていた。
「肩書きなんか、どうでもいいです。兄さんを副社長にしてください」
俺は昇進を断った。
そのすぐあとだった。
翌年の新卒採用の説明会の席で、俺は彼女を探した。
しかし彼女の姿はなかった。
大学を出ていれば、今年参加するはず。
そう思って、ずっと待っていた。
しかし彼女の姿はなかったのだ。
もしかすると、別の枠かもと思い、新卒採用のデータを検索した。
すると3年前のデータに彼女を見つけた。
なぜーー
彼女が高卒で御堂ツーリストを受けていたのだ。
『不採用』
その3文字に打ちひしがれた。
しかも不採用の理由が高卒だから。
頭にきて、人事部に聞くと会社が高卒を取っていないことを初めて知った。
俺はなんて世間知らずなのだーー
彼女の生い立ちもデータで知った。
当たり前に大学へ行き、新卒で入社すると思っていた。
しかし彼女は高卒で働き、希望した会社に不合格だった。
「なぜ、高卒は採用しないんですか」
「昔は採用していましたが、役員会で決まったんです」
「そうですか」
兄に相談しても無駄だった。
「余計なことはしなくていい。現状で会社はうまくいってるじゃないか」
「現状維持がいいと?」
「そうだ。口出ししないのが1番いい」
「兄さんは何もしなければマイナスにはならないと思っているのかも、しれませんが」
俺がため息交じりに言うと兄は俺を睨み付けた。
「こんだけ早い時代の流れでは何もしないことは後退を意味するんですよ」
しかし兄に俺の気持ちが伝わることはなかった。
俺もたった1人の女の為に、これだけ必死になっている自分、これ以上、言葉で兄を説得する力は持っていなかった。
だったら俺が役員になる。
兄より上に立つ。
その時、俺は役員になる決心をした。