意地悪な副社長に狂うほど愛される
社長という肩書
『おかけになった電話番号は現在、使われておりません』
目の前が真っ暗になった。
彼女が会社を辞めたことを知ったのは、退職してから5日も経ってからだった。
なぜだーー
なぜ、いきなりーー
仕事に全く集中できない。
椅子に座り、顔を押さえて天井を見上げた。
内線を知らせる音が電話からするが無視した。
しばらくしてドアがノックされ、「はい」と返事をする。
「副社長、社長からお電話が入っておりますが、どういたしましょう」
「あ、失礼しました。他の電話に出ていたもので」
俺は内線のボタンを押して電話に出る。
「はい」
「ようやく出たか、お前、また携帯の番号を変えただろ」
「ああ、すみません」
その時、思わず笑みがこぼれた。
そうか、彼女は俺から逃げたのかーー
親指と中指でこめかみを押さえた。
「おい、聞いてるのか?」
「はい、佐伯家との顔合わせの件ですよね」
「そうだ。来週がいいと先方が言っている」
「就任式を待ってからでは、ダメなんですか?」
しまったと思った。
ここまで余裕を見せてきたはずなのに肝心なところで焦った。
「お前に社長の座を与えてからだと逃げそうだからな」
佐伯凜華が父にすべて話したのだろう。
2人が繋がっていることは、何となく予想はしていたが確信した。
「逃げも隠れもしませんよ、俺は社長の座がほしい」
「そうか、だよな。お前は欲深いからな」
欲深いかーー
確かにそうだ。
社長の座もほしいし、宮木あゆ美もほしいーー
電話を切って、すぐにノックの音がする。
「どうぞ」
「失礼します。副社長にお会いしたいと山本啓太さんがいらしていますがお通しして良いでしょうか」
「山本?」
「お断りしましょうか」
ああ、同期かーー
「いいえ、通して下さい」
しばらくして山本啓太が入ってきた。
「失礼します」
礼儀正しいが、怒りがにじみ出ている。
「どうぞ、座って下さい」
「いいえ、このままで」
俺は仕方なく立ち上がり彼と向き合った。
目の前が真っ暗になった。
彼女が会社を辞めたことを知ったのは、退職してから5日も経ってからだった。
なぜだーー
なぜ、いきなりーー
仕事に全く集中できない。
椅子に座り、顔を押さえて天井を見上げた。
内線を知らせる音が電話からするが無視した。
しばらくしてドアがノックされ、「はい」と返事をする。
「副社長、社長からお電話が入っておりますが、どういたしましょう」
「あ、失礼しました。他の電話に出ていたもので」
俺は内線のボタンを押して電話に出る。
「はい」
「ようやく出たか、お前、また携帯の番号を変えただろ」
「ああ、すみません」
その時、思わず笑みがこぼれた。
そうか、彼女は俺から逃げたのかーー
親指と中指でこめかみを押さえた。
「おい、聞いてるのか?」
「はい、佐伯家との顔合わせの件ですよね」
「そうだ。来週がいいと先方が言っている」
「就任式を待ってからでは、ダメなんですか?」
しまったと思った。
ここまで余裕を見せてきたはずなのに肝心なところで焦った。
「お前に社長の座を与えてからだと逃げそうだからな」
佐伯凜華が父にすべて話したのだろう。
2人が繋がっていることは、何となく予想はしていたが確信した。
「逃げも隠れもしませんよ、俺は社長の座がほしい」
「そうか、だよな。お前は欲深いからな」
欲深いかーー
確かにそうだ。
社長の座もほしいし、宮木あゆ美もほしいーー
電話を切って、すぐにノックの音がする。
「どうぞ」
「失礼します。副社長にお会いしたいと山本啓太さんがいらしていますがお通しして良いでしょうか」
「山本?」
「お断りしましょうか」
ああ、同期かーー
「いいえ、通して下さい」
しばらくして山本啓太が入ってきた。
「失礼します」
礼儀正しいが、怒りがにじみ出ている。
「どうぞ、座って下さい」
「いいえ、このままで」
俺は仕方なく立ち上がり彼と向き合った。