第5部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない
するとルイが大袈裟に肩を落とす。

「っていうか、ティアナちゃんの綺麗な髪が!!」

「そうだよ!! お嬢さんの髪!!」
レオもムクっと起き上がる。

ユウリも心配そうに見つめた。

「だいぶ短くなってしまいましたね……」

私は短くなった髪をつまみながら言う。

「変……かな?
一応ね、少し整えたんだよ?」

そういう私にテオがへにゃりと笑った。

「お嬢様は、お嬢様だよ。
なんだって可愛いから大丈夫」

「そうそう! お嬢さんは髪が短くても可愛い!!」
レオが力強く頷く。

「短いのもいいわね!
似合ってるわよ、ティアナちゃん。でもあとで毛先は整えさせてね」
ルイが優しく言う。

そのやり取りを聞きながら、
ディランが小さく笑った。

「……にぎやかだな」

「ええ。……でも、こういうの、好きです」

ディランはレイに包帯を巻かれながら、
少し照れたように私を見る。

「ティアナ。……本当にありがとう」

「こちらこそ。
ディランが戻ってきてくれて……よかった」

その言葉に、ディランは静かに微笑んだ。

騎士たちの安堵の声、
仲間たちのわちゃわちゃした騒ぎ、
レイとユウリの優しい手当て。

戦いの終わりを、
ようやく実感できる時間だった。
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