第5部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない
ティアナside
「……ソラ」
セナが、何か言いたげに手を伸ばしてきた。
「ありがとう……ございます」
その手を掴んで起き上がり、私は砂埃を払う。
「では……そうだな。
セナ、一戦どうだ?」
ディランが、今度はセナへと向き直った。
周囲の騎士団員たちが、息をのむ。
「俺でよければ。よろしくお願いします」
一礼して、セナは前に出た。
「よし、来い」
ディランが木剣を構え――
次の瞬間、2人は激しく打ち合いを始めた。
――レベルが、違う。
一合目で、それがはっきりとわかった。
(……今の、私の時より速い)
剣筋も、踏み込みも、間合いの詰め方も。
さっきとはまるで別物だ。
(ああ……)
ディランは、明らかに――
私の時は手を抜いていた。
悔しさが、胸の奥にじわりと広がる。
(くっ……)
それでも、セナの動きは素晴らしい。
鋭く、無駄がなく、以前より確実に強くなっている。
(……セナ、また強くなってる)
逞しくて、頼もしい。
けれど――
それでも、圧倒されている。
剣が弾かれ、間合いを制され、
一歩、また一歩と追い詰められていく。
(やっぱり……すごいな)
ディランの強さを、改めて見せつけられた。
「……ソラ」
セナが、何か言いたげに手を伸ばしてきた。
「ありがとう……ございます」
その手を掴んで起き上がり、私は砂埃を払う。
「では……そうだな。
セナ、一戦どうだ?」
ディランが、今度はセナへと向き直った。
周囲の騎士団員たちが、息をのむ。
「俺でよければ。よろしくお願いします」
一礼して、セナは前に出た。
「よし、来い」
ディランが木剣を構え――
次の瞬間、2人は激しく打ち合いを始めた。
――レベルが、違う。
一合目で、それがはっきりとわかった。
(……今の、私の時より速い)
剣筋も、踏み込みも、間合いの詰め方も。
さっきとはまるで別物だ。
(ああ……)
ディランは、明らかに――
私の時は手を抜いていた。
悔しさが、胸の奥にじわりと広がる。
(くっ……)
それでも、セナの動きは素晴らしい。
鋭く、無駄がなく、以前より確実に強くなっている。
(……セナ、また強くなってる)
逞しくて、頼もしい。
けれど――
それでも、圧倒されている。
剣が弾かれ、間合いを制され、
一歩、また一歩と追い詰められていく。
(やっぱり……すごいな)
ディランの強さを、改めて見せつけられた。