第5部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない

それぞれの役割

テオside

さて、と。

俺は人目を避けながら、城の内部を改めて確認していく。

お嬢様が王妃教育を受けていた頃、
このあたりの構造はだいたい頭に入っている。

警備の巡回ルート。
時間ごとの交代。
そして――例の北側の部屋への出入り。

(なるほどな)

警備の数が、妙に多い。
しかも、理由を説明できる配置じゃない。

確かに……
北の部屋は、あやしい。

だが問題はそこじゃない。

正面から入るのは論外だ。
目も多ければ、記録も残る。

「……さて」

壁に手を当て、裏側の構造を思い出す。

この部屋の裏はどうなっている?

通路か。
それとも行き止まりか。

あるいは――

誰にも知られていない、もうひとつの通路があるのか。

視線が、静かに鋭くなる。
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