第5部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない
14章
地下潜入
地下潜入決行前夜。
王都の喧騒から切り離された、ひっそりとした隠れ家。
机の上には、城の簡易見取り図と地下へ続く推定ルートが広げられている。
灯りは最小限。
揺れる炎が壁に影を落とし、静寂に緊張だけが濃く積もっていく。
「――いよいよ、明日の夜に決行する」
その一言で、場の空気がぴんと張り詰めた。
「まず、私はディランと踊る」
視線が一斉に私へ向く。
「式典の最中、最も注目が集まる瞬間。
曲が終わったら、迷わず離脱する」
指先で地図をなぞりながら続ける。
「セナ、テオ。
この地点で合流して、私と一緒に禁書庫から北側の部屋へ向かう」
「了解」
セナの返事は短く、揺るぎない。
「隠し扉も確認済みだよ」
テオが軽く笑ってみせるが、その目は鋭い。
「ユウリ、ルイ、レオは、それぞれの定位置か禁書庫で合流して」
「はい」
「わかったわ!」
「了解です!!」
三者三様の声が重なる。
「ルーク団長、アレン、ロベルトは殿下周辺の警戒を。
私が離れたあと、少しでも不審な動きがあれば即対応して」
「了解」
3人の表情は、戦場に立つ者のそれだった。
「そして――」
最後に視線を向ける。
「オリバー副団長、エリック。
外で待機。合図があれば即介入できる距離で。
指示が出来ない状態の場合は、臨機応変に対応してもらう」
「……承知した」
重く、覚悟のこもった返答。
一瞬、誰も口を開かない。
沈黙が、これから向かう危険の深さを物語っていた。
「この先、何が起きるかわからない。
最悪の場合――合流できない可能性もある」
それでも、誰一人として目を逸らさない。
「でも」
私は顔を上げる。
「必ず戻る。
全員で」
その言葉に、張りつめた空気がわずかに緩んだ。
「生きて帰るのが最優先よ」
「はい」
全員の声が、静かに、しかし確かに重なった。
王都の喧騒から切り離された、ひっそりとした隠れ家。
机の上には、城の簡易見取り図と地下へ続く推定ルートが広げられている。
灯りは最小限。
揺れる炎が壁に影を落とし、静寂に緊張だけが濃く積もっていく。
「――いよいよ、明日の夜に決行する」
その一言で、場の空気がぴんと張り詰めた。
「まず、私はディランと踊る」
視線が一斉に私へ向く。
「式典の最中、最も注目が集まる瞬間。
曲が終わったら、迷わず離脱する」
指先で地図をなぞりながら続ける。
「セナ、テオ。
この地点で合流して、私と一緒に禁書庫から北側の部屋へ向かう」
「了解」
セナの返事は短く、揺るぎない。
「隠し扉も確認済みだよ」
テオが軽く笑ってみせるが、その目は鋭い。
「ユウリ、ルイ、レオは、それぞれの定位置か禁書庫で合流して」
「はい」
「わかったわ!」
「了解です!!」
三者三様の声が重なる。
「ルーク団長、アレン、ロベルトは殿下周辺の警戒を。
私が離れたあと、少しでも不審な動きがあれば即対応して」
「了解」
3人の表情は、戦場に立つ者のそれだった。
「そして――」
最後に視線を向ける。
「オリバー副団長、エリック。
外で待機。合図があれば即介入できる距離で。
指示が出来ない状態の場合は、臨機応変に対応してもらう」
「……承知した」
重く、覚悟のこもった返答。
一瞬、誰も口を開かない。
沈黙が、これから向かう危険の深さを物語っていた。
「この先、何が起きるかわからない。
最悪の場合――合流できない可能性もある」
それでも、誰一人として目を逸らさない。
「でも」
私は顔を上げる。
「必ず戻る。
全員で」
その言葉に、張りつめた空気がわずかに緩んだ。
「生きて帰るのが最優先よ」
「はい」
全員の声が、静かに、しかし確かに重なった。