【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
「旦那様が本当に愛しているのは....奥様なのでは?」
リリアが続ける。
「もしそうなら嬉しいけれど。それはないわ。彼は私を愛することはないってはっきりと仰っていたもの」
「そう、でしょうか....。最近の旦那様は幸せそうで....奥様をとても愛おしそうな目で見つめていらっしゃいましたよ?」
「きっと彼が優しい人だから、そう見えたのよ」
チャリ、と小さな鎖の音がこだました。
首元で光るパープルサファイア。
どうしてもこれだけは、置いてこられなかった。
彼が私の瞳みたいだと言ってくれた、大切な宝物。
ーー好き....
とどまるところを知らない気持ちを、心の中でそっと唱えた。
その時ーー
家の中が騒がしくなった。
自室に居た私とリリアは、互いに顔を見合わせて首を傾げる。
「何でしょう?」
「ええ。様子を見に行ってみましょうか」
「危険です。私が確認して参ります」
「いいえ、私も行くわ」
「....承知しました。けれど、私の後ろに居てくださいね」
「わかったわ」
白いドアを開けて、2階の廊下を進んでいく。
階段の踊り場まで降りた所で、使用人たちがバタバタと玄関扉の前を行き来しているのが見えた。